福島にも初霜が降り、本格的な冬はすぐそこまで来ている。吾妻山に雪が降ると初雪も間近である。福島県知事選も盛り上がりを欠く中で、副知事の内堀氏が圧勝に終わった。国の原発再稼働の動きの中で、福島県は候補者の全員が全機廃炉を当然としていた。原発事故の被災県として全機廃炉、それだけは曲げないでもらいたいと思う。それは、福島県だけの問題では済まされない問題である。他県においても廃炉を支援していく立場となるものと思われる。このとき、国の方向性と真っ向から対立することとなることを考えると一抹の不安がよぎる。

企業を元気にすることを政治的使命であると公言する安倍政権は、際限の無い金融緩和による円安株高への誘導を行い、グローバル企業であるトヨタやパナソニック等々の未曾有の増益を実現した。原発と武器輸出は、軍需産業の拡大へと繋がる。軍備拡張競争による内需拡大は、破滅への道を突き進むこととなる。第一次世界大戦後の世界に酷似してきているように思えてならない。

アメリカの中間選挙は、共和党が上院下院で圧勝し、民主党であるオバマ大統領の立場は厳しい状況に追い込まれることとなった。強いアメリカを誇示するため周期的に戦争を行ってきたアメリカの歴史を考えると、残された2年の在任期間を穏やかに終わってもらいたいと願う。

人間の原点である「命」の大切さから、社会を見直していくことの必要性を強く感じる。国への義務として国民の生存権を守ることを日本国憲法を明示している。国民の生活を守ることを使命とする政治であってほしいものである。寒さが身にしみる季節である。