スーパームーンが、日に日に日の入りが早まる中で、東の空から登ってくる。大きく綺麗ではあるが、何か不気味さを憶える。この記録的な猛暑も、月が地球に接近しすぎたことによる引力の影響が関係しているのではないかという妄想が頭をよぎる。

ハワイでの山火事を始め、全世界規模での熱波の被害が多発している。地球規模での水冷クーラー(深層海流)が故障し修理不能となってしまったのか。

気候変動は、人々の生活を大きく変えてしまう。その影響は、それぞれの地域で大きく異なるが、熱波や干ばつは、土地を砂漠に変え、農地を奪い人間の住む環境を奪う。人々は、肥沃な土地を求めて、長い歴史の中で幾度となく大移動を繰り返してきた。それは、過去の歴史として終焉を迎えた歴史的事実と思いたいが、現実は、今も食糧危機と飢餓の拡大、戦禍による難民の大量発生による人口移動は止まるところを知らない。

ところが、日本社会には、食糧危機への危機感はほとんど感じられない。米の減反と休耕地の拡大は、農業従事者の高齢化とともに、止まるところを知らない。肥沃な農地をメガソーラーが埋め尽くし、再生エネルギーは、環境に優しいと無条件に受け入れ、環境破壊を推進する政府。山の裾野には風力発電の風車が並び、メガソーラーのための山肌が広がる。空からの眺めも、緑の絨毯が途切れ、ソーラーパネルが鏡のように光る。農地が耕作放棄地となり土地が荒廃する中で、食糧自給が低下しても輸入をすればなんとかなる、お金さえ払えばという幻想を持ち続けている。しかし、この幻想は、多くの前提が順調に機能して始めて可能となる。気候変動を含む天変地異は、世界的な食糧危機を誘発し、食料を武器として世界的な緊張を高めていく。

地球規模で考えれば、すべては有限であり、1年間の食料生産には限界がある。天変地異はこの限界点を下げていくこととなり、分配から外れてしまう人々を大量に生み出してしまう。肥沃な大地を大切にして、食糧危機に世界が協調し合って対処していくことが、人類が生き残っていくための最良の道ではなかろうか。