虎捕山について

虎捕山の起源は、平安時代にまでさかのぼるといわれています。虎捕山の虎とは、後一条天皇の御代に、真野で生まれ育った暴れびと、橘墨虎(たちばなのすみとら)だといわれています。なんと、動物ではなく、人物なんですね。人並み外れて体が大きく、不思議な力を持っていた彼は、子分どもを連れて周辺の家でたびたび盗みをし、民衆から恐れられ、豪族まで支配したそうです。
ある夜、時の陸奥守・鎮守府将軍 源頼義の夢で、山の神が「墨虎を捕らえたいなら、白狼の足跡を追うとよい」と言いました。 すぐさま墨虎の追跡を命じられた藤原景道は、道案内役とともに険しい山の中を歩き回り、獣の足跡が点々と続いているのを見つけました。足跡を辿っていくと、大きな岩の穴に、墨虎が隠れていました。景道は「墨虎天罰免れるべからず。朝命の刃に伏せ」と叫んで、刀を投げました。刀は、背中から腹へと、墨虎の体を貫いたといいます。
墨虎が成敗されたことで安心して生活することができるようになりました。民衆は、山に神社を創り、「虎捕山神」として、深く信仰しました。
墨虎が捕まってから、山は「虎捕山」と呼ばれました。また、虎捕山の「佐須」という地名は、墨虎に短刀が「刺さる」に由来するそうです。
※山津見神社は、1051年創建、村内外から広く信仰を集めています。
2013年4月1日、火災で社殿が全焼しましたが、その後オオカミの天井絵242枚は、復元されました。

【虎捕山】へのアクセス
電車では:JR東北本線「福島」駅またはJR常磐線「相馬」駅より、タクシー
マイカー:山津見神社に駐車場可
他登山口:行合道側から
住所・電話番号(山津見神社):福島県相馬郡飯館村佐須字虎捕266
0244-42-0846