六魂祭が6月1・2日の両日行われた。

東北6県の祭りが一同に介して繰り広げられる六魂祭。震災後、仙台、盛岡、福島と巡っている。今年は福島市が会場となった。福島市に20万人以上の人が集まり祭りを繰り広げる。これまでにない試みである。

開催に向けて、会場予定地周辺は急ピッチで除染が進められ、舗装道路はすっかり塗り替えられてしまった。当日パレード会場となる国道4号線は、1㎞程度が通行止めとなり、まちの真ん中に巨大なイベント広場が出現した。通常は車しか通行しない4号国道が、人々の生活空間に一瞬戻ったかのようである。人の手でわらじを担ぎ、だしを引き、踊りながら練り歩く。道一杯の人の波。人、人、人で埋め尽くされる。震災以後の苦しみ、不安の中で、内に秘めたエネルギーが放出されたひとときである。

被災地に生きる人々の思いを集め、連帯感の中で発散させる効果は充分あった。しかし、この試みは中央のイベント会社と行政の主導で企画運営され、地元の商店街や住民に自主的参加の動きがどの程度あったかは疑問である。祭りは、住民が自主的に動き、参加しながら作り上げていく。住民が、イベントの観客として動員されていくだけのものであってはならない。

これからの復興がどのように進められていくのか。住民が観客から主体的参加者とならなければならない。祭りのあり方を通して、今回の六魂祭を期に考えてみることも必要ではなかろうか。