2021年11月 代表メッセージ

衆議院選挙も終わり、新たな国会の勢力図も確定した。2日付け朝刊は、最終確定の与野党の獲得議席数を一面トップで報じている。衆議院の議席定数は465議席、自民党単独で259議席と過半数の233議席を上回る安定多数を確保した。これで岸田内閣は本格始動することになる。

コロナ、オリンピックと慌ただしく過ぎ去った管政権、総選挙がいつになるのかと安倍政権を引き継いだときから話題となり、今か今かと気をもませながらも、総理の解散権を行使することもなく、衆議院の任期満了まで来てしまっての衆議院選挙。安倍総理の急な引退後の暫定政権として一年の短命で終わった管政権、衆議院の任期満了直前での管総理の辞任表明を受けての自民党総裁選、4候補による活発な選挙合戦が連日マスコミを賑わし、国会の首班を決める選挙の様相を呈していた。総裁選を制した岸田文雄氏、早速内閣を組閣しての今回の総選挙へ、10月の一ヶ月間での政治イベントも終わりを告げた。

単独過半数を獲得した今後の自民党政権の国会運営は、どう変化するのだろうか。これまでの安倍・管政権の中で感じられてきた国会軽視、総理官邸主導による国会運営、スキャンダルによる大臣交代劇、政策決定は閣議決定で確定、国会の影が薄くなっているように感じられてならない。

憲法改正のためには3分の2の310議席が必要となる。自民・公明で294、維新41を加えると335議席となりこれを上回る。野党連合で闘った選挙も立憲民主党の枝野氏の辞任により空中分解が確定的な中で、維新の会の動向しだいでは憲法改正論議が本格化しそうである。争点を作らず総裁選での自民党への好感度アップを生かした自民党の選挙戦略に、野党は防戦一方の争点なき選挙戦となってしまった感が否めない。

社会は、3人集まると意見の調整が必要となる。1対1では強い者の意見が常に通ることとなるが第3者が一人が入ると調整力は働く。巨大化した勢力は分裂崩壊するのが歴史の常である。自民党を2分すれば勢力図は3つとなる。3人よれば文殊の知恵、少しは民主的な国会になるのではと夢うつつの中で妄想する。