2015年1月。あけましておめでとうございます。

 

「まち・ひと・しごと。地方再生」とは、今年の、安倍政権の政策課題である。

戦後日本の経済発展を支えてきた地方の役割。この最も大きな役割は、都市への「ひと」の供給であった。核家族社会の進展は、地域における人間関係を希薄にし、大学進学から就職へ、若者はそのまま都市に定住する。地方には、若者を送り出したあとの高齢化した親世代が取り残されることとなった。戦後日本の発展の裏で破壊され続けた地方。そこには、地域社会を解体し、人間関係を孤立化させ、移動を自由にしてきたが、同時に孤立化は、人々に社会との接点を見失なわせ、不安を増幅させ、複雑な社会問題を出現させている。

「地方の創生」。それは、破壊してきた歯車を逆転させ、「地域社会」の果たしてきた役割を再確認していくことから始めなければならない。しかし、ここでは、地域ではなく地方とされている。地方とは、中央に対する地方である。それは、中央の目線で中央の求める地方の役割を押し付けてきた歴史であり、これからをも暗示しているように思えてくる。都市への電源供給基地として原発を担い、生活環境のすべてを犠牲にする結果となった福島の教訓。

地方の創生とは、人間の回復であり地域の役割を見直していくことから始めなければならない。地方の創生とは、地域社会の再生であり、それは、支えあう人間関係の修復により物としては買えない人間関係の大切さを再確認し、これを繋いでいくことから地域社会は創られて行くことを真剣に考えていかなければならない時に来ている。

地域社会を破壊してきた歯車を速めることにならないよう願うのみである。