室屋義秀選手が、12月4日福島県民栄誉賞を授与された。明るい話題の少ない中で嬉しいことである。レッドブルエアレースで年間の総合優勝を飾り、福島県民に勇気と希望を与えたということでの今回の授与となった。

福島市の農道空港「スカイパーク」は、NPO法人ふくしま飛行協会の活動により市民の航空公園として定着してきている。NPOの仲間として交流を始めてからすでに10数年が過ぎている。室屋さんを知ってから10数年、スカイパークでは、毎年航空イベントが開催され、メインイベントととして繰り広げられる室屋さんのアクロバット飛行を観ながら、観衆はいつも大空に釘付けとなっていた。

小型飛行機が大空を自由自在に飛び回る姿は、空への憧れを手にした者のみができる技である。アクロバット飛行に耐えられる専用機、これに改良に改良を加え、技を磨き、機体とパイロットが一体となることで初めて実現する。日々の努力の蓄積は、驚くべき成果を生み出す。人は成果のみを見て、努力の日々を見ず天才ともてはやす。しかし、才能と可能性を信じて努力し続けた結果が大きな成果となる。

スカイパークを拠点に始まった航空文化の発信は、室屋さんの快挙とともに「見る・乗る・創る」楽しみ方の多様性と創造性への可能性として新たな段階を迎えている。未来を担う子供たちに、自らの興味・憧れを大切に努力することで夢はかなうことを伝えようとしている。

空に国境はない。渡り鳥は、空を自由に飛んでいく。空への憧れ飛行機、それは、瞬時にして地獄よりの使者ともなる。未来を担う子供たちには、飛行機が平和の使者として、世界を自由に飛び回れる社会の文化として定着させていきたいものである。