9月1日は、「防災の日」。1923年に発生した関東大震災を教訓に定められた。94年前になる。東日本大震災(2011,3,11)から6年、災害の記憶が薄れていく。「災害は忘れたころにやってくる。」災害の教訓を学び、日常の中にその対策を活かしていくことが大切である。

災害は、自然災害と人災に分けられる。しかし、自然災害と人災の境は、必ずしも明確ではない。自然災害を切っ掛けに、その災害を大きくしているのは人為的な原因によるものが多い。局地的な集中豪雨、川の氾濫、土砂崩れによる被害を受けた場所には土地開発における人為的な原因が見え隠れする。東日本大震災での災害では、地震、津波、原発事故と複合災害となった。原発事故は、地震、津波を軽視して対策が不十分であったことによる人為的な要因が大きい。

人為的な原因による災害で忘れてはならない戦争、自然災害のように人間の力ではどうにもならないものではないように思えるが、人類の歴史とともに繰り返し、住民を苦しめ甚大な被害をもたらしてきた。今もまた、北朝鮮のミサイルが日本の上空を飛ぶという異常な状態となっている。核保有国としてアメリカに対等な平和条約を求める北朝鮮、国の威信をかけた軍拡競争は、限界点を迎えると軍事衝突を起こす。経済制裁は、この前哨戦、すでに戦争は始まっている。

これをどう収めるのか、和解と許しと妥協、相互の歩み寄りを信じたい。人為的な原因を人為的に解決されないほど人間は愚かではない。「開発」という名のもとに経済至上主義が優先した都市開発、巨大プロジェクトの原子力発電、巨大化する軍事産業。私たちは、災害の教訓から、「命」を守るための日常的な対策を学ばなければならない。人為的に造られていく破滅への道から人類を救う道は、「災害の教訓」が教えている。