7月2日は、東京都議会選挙が行われた。福島に居て、東京都の議員選挙に関心を持つことはこれまでほとんどなかった。結果としての政党別の数を見るくらいにすぎなかった。しかし、今回の選挙は、どこかこれまでの選挙とは違う。小池都知事の誕生から、「都民ファースト」という東京都限定の地域政党を立ち上げ、一党独裁化している中央政党の自民党に圧勝し過半数を占める結果となった。これが、一極集中が進む東京都、日本の人口の1割以上を抱える地域で起きている。この変化は、今後の日本の動向を大きく左右するものと思われる。

安定過半数を占める自民党の一党独裁化した国会運営は、政治を私物化し友人に対する露骨な優遇を与える「加計学園」問題を生み、議会制民主主義を無視し委員会審議を省略した法案採決を可能にしている。小選挙区制は、選挙区での第一党になると議席を確保されるため、全体としての投票数の割合とは連動しない。批判票が議席に反映するためのハードルは高い。政党の公認を受けることで選挙資金も国が負担する。国会議員になるためには、第一党から立候補できないと圧倒的に不利な環境になっている。これがまた自民党の圧倒的な強さをつくっている。

地方選挙は、都知事選もそうであったように、ほとんどの首長選挙で、自民党公認候補が敗れ、無所属候補が有利に展開している。第一党の自民党に対する批判票が、投票数で過半数を占めていることで結果は大きく変わる。この批判票が、地域の課題に向き合い真剣に取り組もうとする民意の結果としての質を持ち始めることで、国の政治も変えていく。この流れが、一過性の批判票に終わらないことを願う。