・概要
ひまわりプロジェクトは2012年度より始まったNPO法人シャロームの事業である。原発事故の風評被害により中断を余儀なくされた農業授産事業の計画、及びその成果物である農作物を利用した六次化事業の計画の骨子を引き継ぎ、災害時の迅速な支援を可能とする全国的な市民レベルのネットワークの構築、及びシャロームの継続的な障がい者・被災者支援事業実施のための活動資金の確保を目的としている。
取り組みの概要としては、震災関係の支援活動を通じて得た全国の人脈を活用し、県外でひまわりの栽培に協力する法人・個人のボランティアを募集する。ひまわりの種をシャロームで購入し、これを支援者に配布する。支援者は春~夏を通じて撒種・栽培し、花を楽しんだ後、秋口に種を収穫する。支援者はその後種を乾燥、シャロームに郵送し、シャロームではこれを地元業者に委託して搾油・ボトリングする。(シャロームより支援者に種を発送する際の送料はシャローム負担、支援者からシャロームに収穫した種を送る際は支援者負担。)その後地元の障がい者施設「ベーシック憩」に委託し、ラベリング、パッケージングを経て、ひまわり油「みんなの手」が完成する。これらの油には一枚一枚に手書きのメッセージカードが添えられる。
製品は小売価格1,200円(会員は1,000円)で販売され、利益はシャロームの事業費として、災害支援センターの活動(主に県内の児童を対象とした保養プログラム、放射線量のモニタリング、行政への支援の提言など)や、障がい者支援(障がい者の保養プログラム参加、スポーツ活動支援など)に活用される。

2014年度は、過去二年間で構築された支援者とのネットワークを拡大し、県内の子ども達への支援を充実させる予定である。
今年度からの新たな取り組みとしては、地域間交流事業がある。市内施設「ベーシック憩」障がい者数十名を、保養を兼ねた交流大使として、スタッフとともにひまわりプロジェクト支援者の地元へ派遣するという取り組みで、年3回の実施予定となっている。これには、シャロームの活動に理解のある園芸福祉士も同行し、現地に於いて簡単な園芸療法を実践・支援者に紹介する予定である。
また、子どもたちへの支援としては、セラピストによるカラーセラピーの毎月の実施がある。シャロームが別に災害支援センターを通じて協力、実施している県内児童の保養プログラムの参加児童、その保護者を対象に(一般市民も参加可能)、色彩による心療効果を利用したセラピーを開催するという取り組みで、保養後の子どもたち、その保護者の心のケアは勿論、保養プログラムの効果の追跡調査も兼ねている。セラピストにより更に専門的な治療が必要と判断された参加者には、医療機関によるより専門的な治療を進めるなど、保養プログラムへの参加だけで終わらない、より包括的なケアの実現を目指す。同セラピーはすでに一般市民を対象に試験的に11月から開催されており、初回からの参加者4名からは肯定的なフィードバックを得ている。
・スケジュール
現在のところ確定している大まかな予定は以下の通り。

1月~3月
ボランティア募集 (目標数:2013年度に法人・個人併せて120件余りの支援者の協力を得たことを考慮し、2014年は200件程を目標とする。)
2月
地域間交流プログラム(目標数:参加20名)
3月~5月
ひまわりの種の郵送(目標数:2013年に20キログラムを発送したことを考慮し、2014年は3キロ増の23キロを予定)
5月~8月
ボランティアとの連絡を密にし、適切栽培に関するアドバイスなども行う。
ひまわりプロジェクトの機関紙「ひまわり通信」を毎月発行し、電子メール、もしくは郵送にてボランティアに送信。
参加ボランティアへのひまわり絵画/フォトコンテストへの参加の働きかけ(目標数:作品20点)
6月
地域間交流プログラム(目標数:参加20名)
8月
地域間交流プログラム(目標数:参加20名)
9月~10月
ボランティアに収穫したひまわりの種を送り返すよう働きかけ、種を収集(目標数:2012年に約1.2トンの収穫を得たことを鑑み、1.4トンを目標とする。)
11月~12月
・ひまわり油の製造(目標数:2012年度に1500本のボトルが製造されたことを鑑み、2014年度は1700本を目標とする。)