今年は、1月の年明けから雪が降り、寒さが厳しいままに2月を迎えた。南海トラフや関東大震災、日本各地で地震が心配される中で、1月15日トンガ沖の海底火山が大噴火、日本にまで津波が押し寄せてきた。南太平洋の南国の楽園が、一瞬にして火山灰に覆われ見る影もない。

噴火の一方がニュースで流れた時には、津波の心配はないということであったが、一転して津波警報が出されている。その津波の発生原因とメカニズムについての説明もよく理解できない。ある程度噴火が収まり、本格的な調査を行わなければ津波の発生メカニズムがはっきりしないということにも驚く。

1月23日には、大分、宮崎と日向灘を震源とする震度5強(M6.6)の地震も発生している。地震の予測のため、国土地理院が、全国に約1,300箇所に電子基準点を設置しGPSデータを使っての地表の動きを解析している。3日前には「異常変動」として予測されていたという。

地震、火山、津波、地球規模での大災害をもたらす。それは、地球の日々の変化の中で進行し一定の限界点に達すると地震や火山の噴火として表出する。日本列島は、この動く大地の上にあり、日本中が地震の危険とともに暮らしていることとなる。この危険を平常時には、忘れがちになるが、起きると一瞬にして大惨事をもたらす。福島の原発事故は、人間の作り出した人工物が、この惨事を大きくし10年が過ぎても収束しない現実を残している。

人間も地球に生きる、生かされる存在であることに謙虚に向き合い、生物として生きられない環境を作り出さないことが人間の役割であり、大災害時には、これを回復するために力を合わせて取り組むことである。地球の営みには、人間の知らない未知の世界が広がっている。生きるために学び、生きていくための知恵として生かさなければならない。発明とは、人間が知らなかった知を学ぶことであり、ない物からは何も生まれない。自然は、人間に恵みと破壊をもたらす。恵みに感謝し、破壊に謙虚に恐れることである。生かされている現実を受け入れ、災害に備え助け合い・支え合っていくことが被害を最小限に止めることとなる。