今年は、桜の開花が早い。3月末には福島市内は満開に。しかし、1日、コロナのまん延が懸念され、仙台、大阪、兵庫に「まん延防止等重点措置」を適用することとなった。 この重点措置と緊急事態宣言は何が違うのか。新型コロナウイルス対策の特別措置法が2月に改正された。この改正の目玉が、都道府県知事が「要請」できるだけでなく、応じない事業者などには「命令」ができるようになったことにある。緊急事態宣言が出される前でも集中的に対策を講じられるようにと、新たに設けられたのが「まん延防止等重点措置」ということのようである。対策の内容は、飲食店のの時短、不要不急の外出自粛などほぼ同じであるが、「命令」であるから「命令」に従わない場合には行政罰による罰金が課されることになる。国・県のコロナ対策に対する強制力が格段と強化された特別措置法の初めての発令事案となる。今後の運用の動向を見守りたい。

仙台市と福島市は大変近く、交流人口も多い。人ごととして見過ごすことのできない状況にある。花見の名所の写真が連日紙面を飾っている。しかし、花の下での「花より団子」の宴は夢のまた夢。春の日差しを受けて鳥たちは、コロナに怯える人間たちを尻目に、我が世の春を謳歌しているようである。

原発事故が起きた10年前、事故からまもなく桜が咲いても野外での花見は誰も行っていなかった。放射能への不安からすべての活動は自粛されていたことを思い出す。

子どものころから今まで、どれだけの病気やけがを体験し、今まで生き延びてきたのだろうか。子どものころは病弱で、親は生きていけるのだろうかと心配していたようである。今で言う感染症の部類と思うが、内容の良くわからない風邪は年中行事のようにひいていた。親は、小学校に行けるのだろうかと心配していたが、入学と同時に病気の学校を卒業し、その後は今まで大病をせずに生き延びている。思えば、病弱な時代にあらゆる病気の免疫を身につけたことで今に続いているのかもしれない。

自分の最後を迎える病気は何か。無数に存在する病気の中で、今回のコロナもまたこれからの世を生きていくための一つの試練にすぎない。今の一瞬を大切に、桜の花を愛でたいと思う。