2月 代表メッセージ

 

南半球は真夏、オーストラリアは、40℃を超える猛暑という。北半球の日本は、真冬真っ盛りでなければおかしい。ところが周囲には全く雪がない。やっと吾妻山も雪化粧し、節分が終わったこれからが本格的な冬の到来となるのだろうか。地球全体の温暖化のための気候変動なのだろうか。

オーストラリアに2ヶ月間海外研修に行ってきたスタッフがいる。オーストラリアの福祉の現状を体験しながら学んできた。その報告会の中に森林火災の話があった。本人は、森林火災の消火活動のボランティアをしてきたわけではないが、街にいながら煙に悩まされていたという。

昨年の9月より多発化し2020年2月の現在も続いている。その被害面積は日本の2分の1にものぼる。記録的な猛暑と大干ばつで、至る所で自然発火し森林を焼き尽くしている。ユーカリの林に生息するコアラを始めとして、世界的にも貴重な野生動物の命が10億以上失われているという。

日本からも支援のため自衛隊機は派遣されているが、この研修期間に世話になった人たちの惨状にじっとしてはいられないと、自分でできることからと募金活動を始めている。仕事の傍ら、休みの日には英語教室を開いており、この教室の会費を全額寄付することにすることから始めている。この思いは、東日本大震災で支援を寄せてくださった世界中の人たちへの恩返しとして、身近にできることから行動を起こしていきたいという思いに重なる。人は人を介してその思いを伝えていくことができる。一人の地球の裏側で体験してきた事実が、多くの人々の共感を呼び大きな動きを作っていく。会津大学短期大学でも学生たちがオーストラリア先住民の楽器を製作し送る取り組み行われているという。

地球規模の気候変動は、世界規模での異常気象と大災害を引き起こている。地球号の上で暮らす私たちには他人事として避けて通ることはできない問題である。そこには国境はない。すべての人の窮状を知り、できることから支え合い、助け合うこと、それを身近な人間関係から始めることができればやがては世界中の人々に繋がる。そこには草の根の活動の醍醐味とロマンがある。大変な時こそ人類は助け合い生き延びてきた。震災時に話題となった災害ユートピアを思い出す。