12月は、一年の最後の月、一年の締め括りとなる月である。年の初めには、今年こそはとさまざまな計画や目標、そして期待を持ってスタートする。その結果は、一人一人それぞれである。しかし、その一人一人の結果が、次の年に引き継がれ、重ねられていく。 シャロームの一年間の活動を締め括る「ひまわり感謝祭」が今年も12月21日(土)に開催される。「ひまわりの種」とともに、一年間を費やしながら繰り返される「ひまわりプロジェクト」も回を重ね第9回目となる。

震災と原発事故のあった2011年の12月から始まった「ひまわりプロジェクト」は、全国に広がり、草の根の相互支援ネットワークとして着実に拡大してきている。この活動の記録は、毎年、報告書として冊子にまとめられてきている。この報告書等をもとに今回「シャロームが学んだ『震災と原発事故』からの教訓-地域共生社会と地方行政の役割-」(令和元年12月1日発行)がまとめられた。その内容は、「ひまわりプロジェクト」の中で行われてきた活動の記録をもとに、「ひまわりプロジェクト」の社会的意味を検証するものとなっている。

第1章「震災と原発事故(2011.3.11)から学ぶ3つの教訓」ではⅰ「福島県人は障がい者となった。」ⅱ「命」の重みを問われている。ⅲ「風評と障がい者差別」という3つの視点でまとめられている。この中で、今を生きる仲間として、「命」を守り合う当事者として関わり合っていくことの大切さを訴えている。障がい者支援を長年続けてきたシャロームだからこそ言える福島からの視点であると自負している。

4日、アフガン支援NGO代表の中村哲氏が襲撃され死亡したというニュースが突然入ってきた。1984年からアフガニスタンやパキスタンで現地の人々と向き合い35年間活動してきた中村さんの代償がこのショッキングな死であることの無情さを思う。しかし、これにより生かされた人々の中に生き続ける中村さんがいると信じたい。

人間を取り巻く環境・社会・経済、それは継続する「命」のリレーの持続可能性の中で保たれ、それを意識して追求していくことこそが共生社会である。