5月1日から「令和」がスタートした。生前退位ということで、退位と即位が国民のお祝いの日となった。大晦日が2度きたような騒ぎで、ゆく年くる年にわいた。平和な時代が続くことを願いたい。

天皇陛下という立場は、個人の人柄の良し悪しとは別な役割を持つ。政治の頂点にあって国事行為に権威を付加することができる唯一の存在である。そのため、時の権力者に利用され翻弄されてきた。公の場で私見を述べることは許されない。象徴とは庶民からすれば気の毒な存在である。

共同通信の世論調査では、即位された天皇陛下に82%の人が「親しみを感じる」と回答したということである。お祝いムードでの新天皇と皇后の姿が、多くの人たちに好感を与えたものと思う。しかし、この裏では、この機を逃さず憲法改正に持っていこうとする安倍政権の思惑が見え隠れする。

「令和」についての素朴な疑問として、①なぜ、今回限りの生前退位が認められたのか。

②なぜ、即位の日が5月1日になったのか。③なぜ、元号の出典を日本文学にこだわったのか。④なぜ即位の儀式である大嘗祭は11月なのか。これらの疑問には、政権運営との関連性を強く感じさせる。朝鮮王朝との姻戚を結ぶために嫁いだ梨本家の姫君など、過去において、政治に翻弄された皇族は多い。新天皇夫妻には、国民の憧れとなる存在であり続けてもらいたいと思う。