あけましておめでとうございます。

2019年の新年を迎えた。初日の出を部屋の窓から眺めながら、穏やかな一年であることを願う。今年は4月に年号が変わり平成の天皇が退位する。自分の意思で決断することの大切さを思う。

年末から米中の経済戦争が悪化していることを反映して、世界経済の混乱が年明け早々から続いている。世界の2大大国のIT産業をめぐる主導権争い、それは、世界の覇権をめぐる争いでもある。中国の通信大手の役員の逮捕、中国製品のアメリカ経済圏からの締め出し、この反動でアメリカの通信大手が中国市場を失う。相互に多国籍化し複雑化した情報産業への政治的覇権の介入は世界経済の混乱を加速させる。

AIの活用によるバラ色の世界を描きながら、個人情報が情報産業の中に蓄積され管理されていく。便利に活用しているパソコン一台一台がインターネットに繋がり、突然バージョンアップと称して自動的に更新される。どこに置かれているかわからないが、パソコンの内容がスーパーコンピューターに接続され管理されているからこそできる作業である。米中のITの主導権争いは、この日常化しているパソコンの支配権をめぐる争いであることを思うと他人ごととは言えない恐ろしさを覚える。

世界中の人間の個人情報を管理できる情報化社会が到来している現代、個人は分断され他人の情報を得ることが難しくなる一方で、管理者には膨大な情報が集中する。個人の意思も膨大な個人情報を管理する管理者に操作誘導されているように思えてくる。管理者の実態も知らされないままに。

コンピューターが作り出すブラックボックス、情報を入力するとすべて正しい処理をしてくれるものと思い込むことの危険性を改めて考え直さなければならない。生きている生身の人間が、直接会って会話を交わすことこそ最大の情報伝達であり情報の共有となる。人間関係の回復から思いやりは生まれ、助け合いのための交流は生まれる。助け合いは自分の意思で行動することから始まる。助け合いのネットワークが世界を平和に導く。