米朝会談が近づくにつれ、周囲を取り巻く国々の国際会議が忙しい。6月12日会談は、無事終了した。合うことだけで十分な成果である。朝鮮戦争の終戦宣言は行われなかった。戦後処理がまだ終わっていなかったという事実を改めて考えさせられる。

朝鮮戦争は、1950年に勃発した。68年前である。これが1953年に朝鮮戦争休戦協定に署名して休戦となった。これから現在まで65年間の休戦状態が続いているということである。今回の終戦宣言により始めて終戦を迎える。

日本の敗戦により、朝鮮半島は連合国内の思惑で韓国と北朝鮮に分断された。この朝鮮半島の主権をめぐる国際紛争が勃発、北朝鮮の金日成が中国・ソ連の支援を受け韓国に侵攻する。これにアメリカを中心とする西側自由主義国が国連軍として韓国を支援する形で参戦し、朝鮮半島全土を戦場に3年間の戦闘を繰り広げこととなる。北緯38度線が軍事境界線として休戦協定が結ばれ、その後も敵対関係は継続し、アメリカと北朝鮮の間に正式な国交は回復していない。この第二次世界大戦の最後の負の遺産である朝鮮戦争が終結する歴史的会談が今回の米朝会談なのである。

世界の人口のほとんどは戦後世代となっている。日本の1945年8月15日のポツダム宣言受託により第二次世界大戦は終結した。それから73年、戦後ベビーブームと言われた人々もまもなく後期高齢者世代の仲間入り、お爺さん・お婆さんの話として語り継がれる話題となっている。戦後の復興、高度成長期を体験し、冷戦時代からソ連の崩壊、世界のグローバル化の中で生き抜いてきた団塊の世代も引退する時期を迎えという時間が70年の歴史である。

歴史に突然はない。過去の歴史の結果が次の歴史を創り出す。65年という時間は、戦後世界の歴史であり、分断された韓国・北朝鮮の歴史は、世界の大国の中で翻弄され続けた朝鮮半島の歴史でもある。日本の歴史と深く関わる朝鮮半島の歴史、それは、日本の未来にも大きく関わる問題である。今後の動向を冷静に見ていきたい。